トップへ戻る
ウルトラマンAとは
帰ってきたウルトラマンに引き続く、第2期ウルトラシリーズ第2弾。
本作は怪獣に代わる超獣の設定、シリーズ初の敵役レギュラーである異次元人ヤプールの導入等、目新しい設定を取り入れた意欲作であるが、何と言っても男女合体変身という従来の概念を打ち破った設定が斬新である。
この設定は、男女を超越した超人こそ真のヒーローであるという市川氏の信念により生まれたとされているが、北斗と南を演じた2人もそれに応える見事な演技を披露していたと思う。
ただ、残念なことにこの設定は夕子が月星人であったという唐突な設定により、終わりを告げる。
これは男女合体変身は子供の遊びに馴染まないことや、ストーリーの作りにくさ等が原因として挙げられているが、ヒーロー同士の愛を描くという展開があまりにも進歩的過ぎたので路線変更したのではないかと個人的には思っている。
結果北斗1人変身となるが、このことによって離れていった女性ファンは多いらしい。
最後まで最初の設定を貫き通して、ハッピーエンドにしてれば(ティガのように)あらゆる意味で画期的だったと思われるだけに残念だ。
そのような結末にしてれば、今のような低評価に甘んずることもなかったであろう(当時は別として)。
長々と合体変身について書いたが、その他にも異次元人ヤプールのシリーズ途中での敗北。
やたらと助けに来るウルトラ兄弟など本作の問題点は多い。
しかし前半は頻繁に大ピンチが訪れる、手に汗握るハードな展開で毎回楽しませてもらったし、ゾフィーの地球での初戦闘はとても燃えた。
反面、最初からあまりにテンションを上げすぎ、挙句の果てにシリーズ半ばで全滅というとんでもない事態を見せられるにつけ、見る側も疲れきってしまった。
ファイヤーモンスにやられてもまたかといった感じだったし、後半はどうでもよくなったと記憶している。
また、市川氏が脚本を書かなくなると、徐々にお子様向けの脚本も増え、後に1期ファンからボロクソに言われる原因ともなっている(市川氏にも責任はあるが。ウルトラ兄弟とか)。
オープニングは油紙をベラベラさせたような不気味なバックにシリーズ中最も細かい影絵でおどろおどろしい雰囲気のものとなっている。
これはシリーズ全体を通じるヤプールとのハードな戦いを想定したものであろうが、路線変更がなされると「パンダを返して」など非常に映像にそぐわない間抜けなタイトルも散見されその迷走振りが窺われる。
それはともかくとして、曲といい個人的にこのオープニングはとても気に入っている。
以上のように試行錯誤により中途半端なイメージになってしまった本作であるが、特に前半の男女合体変身などは今見ても斬新で、2人の熱演とともに本作を非常に魅力あるものにしている。
私も今さらながら、そのドラマに心酔してる次第である。
未見の人はそういう視点で本作を見てもらえれば、その魅力が少しはわかってもらえるのではないか。
トップへ戻る