サボテン地獄の赤い花


データ

脚本は上原正三。
監督は平野一夫。

ストーリー

街中に超獣サボテンダー出現。
北斗と南はエースに変身してサボテンダーと対決する。
エースは腕にサボテンの棘を受けるが、戦いは終始優勢。
しかし投げ飛ばしてとどめのメタリウム光線を浴びせようとした時、 サボテンダーは青い煙に包まれて姿を消した。
小型化したサボテンダーは赤い花を咲かせ、縁日のサボテン売り場に紛れ込む。
サボテン売りの息子三郎は、サボテンが蛾を食べるのを見て気に入り、級友に自慢するためサボテンを学校に持って行った。
三郎の名を取ってサブロテンと命名されたサボテンはクラスの人気者に。
しかしその夜、サボテンはニワトリ小屋に侵入し、見回りの用務員ともども食べてしまう。
翌日サボテンの棘が用務員の靴に刺さっていたと聞いて北斗と南が駆けつけるが、捜査に来ていた佐田刑事に邪魔されて調査できない。
基地に帰った北斗は隊長に言われてサボテンの専門家岸田博士に会いに行く。
トカゲを食べるサボテンの話を聞きいよいよ超獣の仕業と確信する北斗。
偶々来ていた佐田刑事とともにもう一度サボテンを調べることにする。
三郎の家を訪れた北斗はサボテンを回収しようとするが、三郎は危険だと思って溝に捨てたと言う。
しかしサボテンは三郎がこっそり家で飼っていた。
そんな折、佐田刑事から靴に刺さった棘がハリネズミのものであると報告を受けた北斗は、隊長にサブロテンが超獣であると進言する。
すぐさまパトロールに出るTAC。
一方サボテンは三郎の家で焼き鳥を食べ、夜の街へ逃げ出した。
追いかける三郎はサボテンを見失う。
パトロール中の北斗と南は三郎を見付け、サボテンを追う。
その頃サボテンはドライブ中のアベックを襲っていた。
車を発見した2人は中を調べ、衣服だけが残っているのを確認する。
その時南がサボテンに襲われた。
銃で撃とうとする北斗だが、サボテンが変身するのを恐れ、力づくで南の手をサボテンから引き離す。
駆けつけたTACは北斗の進言で宇宙でサボテンを破壊することに。
しかしサボテンは爆発のエネルギーを吸収し、パワーアップ。
再び地上に現れる。
空から梶の発明した水分を蒸発させるガスを投下する北斗だが、逆にサボテンダーの棘により撃ち落された。
脱出して夕子とエースに変身する北斗。
エースは苦戦するがTACの援護もあり、サーキュラーギロチンでサボテンダーを切断。
見事勝利を収めた。
三郎の様子を見に近所へ寄った北斗と夕子はサボテンを友達に売る三郎を目撃する。
しかし三郎は勝手にサボテンを安く売ったと父親に追いかけられた。
それを見て大笑いする北斗と南であった。

解説(建前)

エースが受けたサボテンの棘は北斗の傷となっていた。
これはやはり肉体的な部分において、北斗がエースの本体であることを示唆してると言えよう。
それだけエースと北斗の一体度は強いと解される。
夕子は主にエネルギー面を半分担当してるということだろう。
後は精神的な部分だろうか。
まあ、1番の役割は変身前の北斗のサポートという感じがするが。

三郎はサボテンダーの出現を知らなかったのだろうか。
それにしては三郎の絵はどう見てもサボテンダーそっくり。
やはり新聞か何かで見てたとしか考えられない。
梶の水分蒸発剤は全く効果がなかったが、街中であることを考えてかなり薄いものを使用したのではないか。
TAC隊員が煙に巻かれても平気だったので、ほとんど効果がなかったものと考えられる。

感想(本音)

少々荒っぽいストーリー。
まあ可もなく不可もないといった感じか。

いきなり超獣が現れエースが戦うというパターンは初めてだ。
ドラゴリーのときはもう少し中盤だった。
アベックのアーパー振りが良かった。
しかし衣服だけ残して食べるのって何か生々しい。
体をドロドロに溶かしてから食べるのだろうか。
サボテンダーがニワトリ小屋を襲う場面。
溶解液で小屋を溶かして侵入したようだが、警察はちゃんと調べていたのだろうか?
明らかに不審な点だと思うが。

夕子が手を噛まれた時、北斗を怒鳴りつける場面は上原氏らしさが出ていた。
上原氏の描く2人のシーンは、北斗が夕子に振り回されているといった感じのものが多い。
その辺夕子がちょっと悪女っぽいイメージで描かれているのだろう(いい意味で)。
折角過去の反省を生かして宇宙で爆破したのはいいが、結果的にパワーアップさせてしまってやっぱり裏目に出てしまったTAC。
て、宇宙で爆破させたら何故大丈夫なのか説明してくれ北斗。
しかしノコギリンのことをよく知っていたな。
郷の件でMATのことを調べ直したのだろうか。
サボテンダーと組み合うエースは何処か痛々しい。

まあ軽いタッチのお話でした。
次回はいよいよ問題作。

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